Interview for isobe_akiko

3.Akiko Isobe(Photographer)/ 磯部昭子(フォトグラファー)

PROFILE

1977 年生まれ。武蔵野美術大学造形学部映像学科在学中より創作活動を始め、写真作品を 多数発表。2000 年にフィリップモリス・アートアワード入選、エプソンカラーイメージン グコンテスト伊藤俊治審査委員賞を受賞、2001 年に第 18 回写真『ひとつぼ展』でも入選するなど、注 目を集める。同大卒業後、フリーランスとして活動を開始。「GINZA」「CUT」などの雑誌や、星野源などの CD ジャケット、その他広告を手がけている。2010 年、第 1 回アインシュタインフォトコンペティションにて後藤繁雄審査委員賞受賞。2012 年、個展『u r so beautiful.』( 銀座 ガー ディアン・ガーデン ) を開催。また、2015 年には新作を含めた個展『DINNER』を G/P gallery にて開催。http://www.isobeakiko.com/

Question & Answer

  • Q1.フォトグラファーになったきっかけを教えてください。

  • Akiko Isobe(以下 AI): 武蔵野美術大学に最初は短大で入学したのですが、 大学3年性の時 に同じ大学の映像学科に編入しました。その時くら いから、漠然と「写真をやりたい な」と思っていました。
  • Q2.「性」や「肌」に着想した女性的な写真が個人的に磯部さんの 作品の中で強く印象に残 っているのですが、ご自身の作品につい てどのようなイメージをお持ちですか?
  • AI: 作品はまずイメージがあってラフを描きます。そのラフ画に沿 って作品を撮っています。特に性を意識しているわけではないです 。ただ何かに執着する事って自ずと性的なものに辿り着くと思うん ですよね。それで「性」を強く感じさせるのかもしれないですね。 私の場合「皮膚」だったり「髪の毛の1本1本」だったり「爪」や 「まつ毛」だったりその人の持つ表層の部分にフォーカスしている 事がそうなんだと思います。
  • Q3.他雑誌「コマーシャル・フォト」の「NUDE」特集では裸の美 と違った既視感にとらわ れないライトな女性らしい写真も拝見し ました。どういったイメージで写真を撮られたの ですか。
  • AI: 「ヌード」といわれると女性の裸を綺麗に写した肖像画に近い 写真のイメージがあった んですが、私の思ってたものはもっと肌 の質感とかマニアックに傾いたもので、人それぞれの性癖に近い部 分が見え隠れする事がヌードなんじゃないかという気持ちもあって 、この時は肌の質感や色に着目したイメージを新しく撮り 下ろし ました。
  • Q4.磯部さんのお仕事の中で印象的なアートワークとして、ミュー ジシャンの星野源さんの音楽ジャケットを多く手掛けられていますが、お仕事の きっかけを教えていた だけますか。
  • AI: 以前に、音楽雑誌「MUSICA(ムジカ)」で星野君のポートレイト を撮る機会があっ たんですが、その時に彼が前もって私の HP を チェックしてくださっていて、「なんかちょっと変 で面白いよね 」と感想をいただいて(笑)。そしたら次の日には彼の所属する音楽 会社の方から「改めてブックを見たい」と声をかけてもらいました 。そこからしばらくアーティスト写真とCDジャケットの撮影させ ていただくことになりました。
  • Q5.本誌掲載作品も含め、女性のポップさ、色鮮やかさの中にもち ょっと目を背けたくなる ような生々しさ、グロテスクさを基とし た奇妙なビジュアルインパクトが作品から強く感 じられます。例 えば、本誌の top photo(p1-2/多くの手に触れられた女性の表情写真 )は どのようなイメージで撮られたのですか。
  • AI: 物語って唐突に始まると思うんですよね。夢なんか特にそうじ ゃないですか。どうしてそうなったか覚えてないけどいやに鮮明に 残っているシーン。そんな瞬間が好きですね。この写真も最初のラ フは別にあって。それを撮影していくうちに出来上がった1枚です 。メイクの豊田君が「こういうのありますよ」って提案してくれた 金粉でモデルさんの顔を覆って。そしたらもっと沢山の手が金粉を はがしていくようにしたいなって。その時グロテスクにしたいとは 思っていないんですけどね。
  • Q6.今年、開催された個展「DINNER」について教えていただけま すか?
  • AI: 「DINNER」というと、テーブルを着飾って、どの食器でどん な食材をどんな人たちと一緒に食べるのかっていう、ちょっとした 舞台だと思っています。そこは確実に夜であるし、食べるという行 為をしっかり意識して行う感じがとても妖艶だなと思っていて。そ して人がモノを食べる行為っていうのにはどこか性的な要素を含ん でいると思うんですよね。まざまざと食べている姿を人に見られた くない羞恥な部分が共通してあって。そんなちょっとセットアップ した世界を写真にしたのが今回の個展です。
  • Q7.磯部さんにとっての写真、生活についての「刺激」を教えてく ださい。
  • AI: 写真を撮るときは「刺激」を前提に撮影はしてないですね。自 分の好きなものに対していか にブレずに向き合うかが大事かなと思います。 生活の中では刺激が向こうからやってくる時期みたいなのはあると 思うんです。それって自分がとても吸収しやすい時期って事だと思 うんですけど。だから刺激は本人の状態ですよね。私はその時期の メリハリがはっきりしていますね。今は個展が終わって割と何にで も刺激を受けてしまう状態です。